3階建てコンクリート造の戸建て住宅の1階部分を茶事懐石教室として使用する計画です。8.5m×7.3mの正方形に近いプランの中に2つの茶席、土間席、水屋をコンパクトに組み合わせることが求められました。
茶道作法に則しながらも開放感のある茶席空間とすることを心がけました。使用する材料を絞り込んで統一感を持たせていますが、これは予算を抑えることにも繋がります。また施工の難しいデザインを少なくすることで和風専用の大工ではなく、普通の大工さんが施工できるようにして予算を抑えることにも対応しました。水屋では床板を外すとミニキッチンに早変わりするなど今後の喫茶店舗への計画変更にも考慮しました。
茶室では狭小空間で光や視線が制御され緊張感が演出されますが、住宅の一部に計画するのであれば、同じ光や視線の制御でも開放感や流動性のある自由さを演出した方がよい場合もあります。
[和の素材]を生かすデザイン手法 建築知識2013年5月号に掲載されました。